国民年金の歴史と受給額の推移

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はじめに

多くの高齢者にとって非常に重要な収入源である年金。
その中でも、すべての国民が加入を義務付けられている国民年金は、年金制度の基本ともいえるものです。
今回は、その歴史や受給額の推移について説明します。

歴史

至極当たり前の話ではあるのですが、人間が生きていくためにはお金が必要です。
もちろん、人里離れたところで電気も水道もガスも使わず、自給自足の暮らしをするというのであれば話は別かもしれませんが、ほとんどの人はそういう生活スタイルではないでしょう。
とはいえ、現役で仕事をしている間は、お金のことについてそれほど大きな心配をすることはないかもしれません。毎月のように決まった収入があるはずだからです。

ところが、老後のこととなると話が変わってきます。
現役のときのようなまとまった額で定期的な収入というのは見込みにくいので、老後のお金の問題について頭を悩ませる方が多いのです。
そんな老後の生活において、多くの場合に収入のメインとなるのは年金。
特に国民年金はすべての人が加入を義務付けられている基本的なシステムです。
このシステムはいつから始まったのでしょうか?

日本における最初の公的年金制度は、1875年(明治8年)にできた海軍軍人に対する恩給制度です。
しかし、この制度は後の厚生年金の原型ともいえる存在であり、国民年金とはやや内容が異なっているかもしれません。
国民年金の制度が始まったのは、その86年後の1961年(昭和36年)のこと。
日本が世界に誇る国民皆保険制度はこの時点においてできあがったといえるでしょう。
ただし、この時点においてはすべての国民が加入を強制されていたわけではありません。
完全に義務化されたのは制度ができてから30年後、1991年(平成3年)のことです。

受給額の推移

次に国民年金における受給額の推移について見てみましょう。
制度ができた当初、受給額は年額で24000円。
当時の物価を見てみると、喫茶店で飲むコーヒーが1杯60円程度、高卒の初任給が約8000円という時代でした。

そして5年後の1966年(昭和41年)、受給額は年額で60000円にアップ。
その後も高度経済成長および物価の上昇に伴って受給額はアップし続けていきます。
1980年(昭和55年)には年額50万円、1999年(平成11年)には年額80万円を超えることになるのです。

しかし、アップの波はここまで。
2000年代に入ると受給額は微減と微増を繰り返しながら70万円台後半(年額)の数字で推移していくようになります。
2021年度の受給額は満額の場合で780900円(年額)、2022年度に関しては同じく777792円となっています。

最後に

この記事では、国民年金の歴史や受給額の推移について説明しました。
なお、マクロ経済スライドの導入により受給額については今後も実質的に目減りしていくことが予想されています。
十分な暮らしをしていくためには、公的年金以外の収入源も確保しておく必要があるといえるでしょう。

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