- 2019-7-4
- 個人年金・年金
はじめに
我が国の公的な年金制度は「国民皆年金」を一つの特徴としており、日本国民である以上、20歳以上であればどんな人でも年金に加入しなければなりません。
会社員や公務員として働いていて厚生年金に加入している人の場合、年金保険料は給与から天引きされますので、一般的には滞納するといったことはないでしょう。
しかし、自営業者やフリーターの人など国民年金のみに加入しているケースでは、天引きではなく自分で年金保険料支払いの手続きをする必要があるため、うっかりミスや経済的な事情、あるいはその他の理由により国民年金の保険料を滞納してしまうこともあるかもしれません。
実際に厚生労働省が公表している資料を見ても、納付率は7割前後に留まっており、約3割の人が国民年金の保険料を滞納していることになります。
ところで保険料を滞納すると、どうなるのでしょうか?
以下で見ていくことにしましょう。
国民年金の保険料を滞納するとどうなるか?
国民年金の保険料を納付期限までに支払わなかった場合、その納付期限の日から2年が経過すれば時効が成立し保険料を徴収することができなくなります。
では、その2年間を逃げ通すことができれば、保険料は払わなくていいのでしょうか?
事態は、そう簡単には進みません。
納付期限を過ぎても保険料の支払いがなかった場合、催告状の送付、年金機構から委託された民間の業者による催促(電話や手紙、訪問)、特別催告状の送付といった処置がとられます。
これらの処置を無視し続け、支払い能力ありと判断されると、最終催告状が送られてきます。
延滞金を加算されることなく、保険料を納付できるのはここまでです。
最終催告状すらも無視していると、次は督促状が送られてきますが、先ほど述べた2年間という時効はこの時点でリセットされることになります。
督促状が届いてもなお保険料の支払いがなされなければ、差し押さえ予告が送られてきた後に財産の差し押さえが行われ、滞納していた保険料と延滞金が強制的に一括で徴収されることになるのです。
なお、差し押さえられるのは本人の財産に限らず、親や配偶者の財産もその対象になります。
滞納分は分割でも支払える?
経済的な事情などにより滞納した保険料を一括で納付できそうにないときは、市町村の年金担当部署へ分割払いの申請をしましょう。
申請が認められれば、滞納分に関しては分割で納めることができます。
ただし、分割払いが認められるのは最終催告状の段階までです。
督促状が届いてしまってからは、延滞金が課せられるうえ、一括で支払わなければなりませんので注してください。
最後に
所得などの条件を満たせば保険料の全額、または一部の支払いが免除される制度もあります。
経済的な事情などで、保険料の支払いが困難な場合にはほったらかしにせず、年金事務所や市町村の年金担当部署に行って相談するようにしましょう。