近いうち、年金は75歳受給開始になる?

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【はじめに】
日本の年金制度は、少子高齢化の加速が原因で大きな不安要素を抱えています。
例えば「近いうち年金は75歳からしかもらえなくなるらしい」という噂を耳にしたことはありませんか?
しかしこの話、本当なのでしょうか。
今回は、現在の年金受給開始年齢と、今後の受給開始年齢について大まかにまとめます。

【近いうち、年金は75歳受給開始になる?】

1.現在の年金制度
現在、年金の受給開始は原則65歳となっていますが、本人の希望によっては60~70歳の間で繰り上げたり繰り下げたりすることもできます。国としては「なるべく後から受給して欲しい」という思惑があるため、開始年齢を繰り上げると生涯のうちにもらえる総額は少なくなり、繰り下げると総額が多くなるという仕組みになっています。
この仕組みに対する考え方は様々で、「なるべく長生きして、長く働いて年金は後でたくさんもらう」と考える人もいれば「年を取って体が動かなくなってきたら、それほどお金を必要としないはずだから、早めに受給して生活を充実させたい」と考える人もいます。
ですので、これまでの貯蓄や保険など、年金以外の収入があって選ぶ余裕がある人の場合は金額を取るか精神的な満足度を取るかで、良し悪しは変わってくるようです。
また制度から推測すると、徐々に年金の受給開始年齢を引き上げていく方向性が示されているように思えます。
そこから「近いうち開始年齢が75歳からになる」という話も聞きますが、本当にそうなのでしょうか。

2.今後、年金は75歳にならないともらえなくなるのか?
この噂は、2018年の11月ごろ厚生労働大臣が年金の受給開始年齢に関して「75歳から」と言及したことが発端となっています。
今後ますます加速する少子高齢化に備えて、できるだけ受給開始を遅らせたいという流れは自然なことかもしれません。
そう入っても、いざ自分や、自分の親のこととなると、年金受給開始が遅くなることは大変なことです。もらえる年齢になるまでどうにか生活費を稼がなければいけないということになってしまいます。
「これまで、何のために高い税金を払ってきたのだろう?」という気持ちにもなります。

しかし実は、75歳からしかもらえなくなるというのは誤解です。
「75歳」という言葉が独り歩きしていますが、正確には「受給開始年齢を75歳まで繰り下げられるようにする」ということです。
今現在でもその制度はありますがより推し進めて、この繰下げ年齢が75歳になるということです。
ただし、年金の受給開始年齢引上げ自体は2019年現在決定されていて、これまでは原則65歳開始となっていたのが、2020年~2030年の間に段階的に原則70歳開始に移行していきます。本当に原則75歳に移行することがあるとすれば、それは2030年以降になるのではないでしょうか。

【最後に】

今回は、昨年から話題になっている年金の75歳受給開始問題についてまとめました。
本当に75歳受給開始となるかどうかに関してははっきりしない部分も多いのですが、確かなことは受給年齢そのものは徐々に引き上げられていくということと、受給開始を遅らせるほど年金総額が上がることです。
今働き盛り世代の人は、できるだけ長く働く方法を考えたり、貯蓄したり、保険会社の個人年金に入ったりして、老後の生活資金を作る方法を考えておきましょう。

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