年金保険料の追納期限切れ後の対応について

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はじめに

最近「年金だけではとても生活できない」という言葉を聞く機会が増えました。
しかし、多くの場合、老後の生活にとって年金は重要な命綱であることに変わりはありません。
これは現在高齢者と呼ばれる年齢の方でも、将来高齢者になる方でも同じです。
国民年金オンリーのケースであっても、満額であればひと月あたり約65000円、平均的な年金額であれば約56000円ものお金が入ってくるか否かではかなり大きな違いがあるわけですから。
だから私たちは毎月きちんと保険料を納めているわけですね。
しかし、事情があってそれが難しい場合もあります。
そんなときに知っておきたいのが「追納」という制度なのですが、これが期限切れになった場合にはどのような対応方法があるのでしょうか?

追納には期限がある

経済的な事情があるときや学生の場合などは、申請することによって保険料を支払わなくても済むケースがあります。
毎月の負担がそれだけ減るわけですから、かなり助かりますよね。
しかし、いくら申請の上で払わなくてもよくなったとはいえ、そのままにしておくと将来受け取る額もその分減ることになります。
そのため、今は無理でも将来払えるようになったらその分も払いたいと考える方は多いはず。
そこで追納の出番です。
わかりやすくいえば、(もちろんお役所公認で)払わないままでいた保険料を、後から余裕ができたときに払うことができるというのがこの制度の概要です。
この制度を利用するためには、年金事務所まで出向くか、ねんきんネット(利用登録が必要です)で書類を作成し、申請を行うことになります。
そうすることで、将来もらう分が減るのを防ぐことができるわけです。

ただし、この制度を利用すればいつまででもさかのぼって支払うことができるわけではありません。
期限が設けられているからです。
その期限は10年間です。
これを過ぎると、いくら払いたくても払うことができません。
でもここであきらめるのはまだ早いです。
何とかする方法はまだあります。

60歳を過ぎてからも保険料を払う

基本的に保険料を払うことになっているのは20歳から60歳までの間、月数にすると480ヵ月です。
この間もれなく払っていれば満額の年金を受け取ることができる、つまりこれにひと月でも足りなければ満額はもらえないということです。
しかし、そういう場合には、手続きを行えば60歳を過ぎても保険料を払うことが可能です(原則的には最高64歳まで)。
この制度のことを任意加入と呼びます。
そのため、後から払う余裕ができたが追納の期限切れになってしまった部分がある場合は、可能な分だけを追納で払い、それが不可能な部分は60歳以降も払い続けることで受取額を満額にする(あるいはそれに近づける)ことができるわけです。
ただし、任意加入という制度はさかのぼっての利用ができません。
このため、追納の期限切れ分がかなり多くあるケースなどでは、60歳になる前には手続きをしておくなど早めに行動することをおすすめします。

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