年金と所得税の関係とは

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年金は雑所得として扱われるため所得税が発生します。しかし、金額によっては所得税が免除されるケースもあり、仕組みを理解する事で金額を算出する事ができます。今回は年金の概要を中心に、所得税との関係を解説します。

年金の種類

年金には大まかに3種類あり、公的年金・企業年金・その他の年金に分けられます。年金の種類によっては課税対象となるものと、非課税対象となるものがあります。それぞれの年金の種類と課税・非課税対象についてまとめて解説します。

●公的年金
最も一般的な年金であり「国民年金」と「厚生年金」の2種類があります。老後にもらう公的年金はそれぞれ「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」と呼ばれており、所得税の課税対象となります。これらとは別で「遺族年金」と「障害年金」がありますが、これは非課税となります。

●企業年金
企業によっては「確定給付年金」や「確定拠出年金」といった、企業年金と呼ばれる年金があります。企業年金は一括で受け取るか年金として受け取るかを選択できます。年金として受け取る場合は公的年金と合算後、控除額を差し引いた額が雑所得として課税対象となります。

●その他の年金
その他の年金として、個人年金保険・外国の公的年金・iDeCo(個人型確定拠出年金)などがあります。これらは雑所得として課税対象となります。

源泉徴収

年金振り込みの際に控除額を超えた分に所得税がかかり、所得税を差し引いてから年金が振り込まれます。この差し引く行為を源泉徴収といいます。源泉徴収は所得税がかかる場合にのみ行われ、所得税がかからない場合は源泉徴収は行われません。

また、所得税がかかる場合は「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」という書類が郵送されます。これは扶養親族などがいる方は申告書を提出する事によって、「配偶者控除」といった控除を受ける事ができます。提出を忘れると受けられませんので注意が必要です。

所得税

ここまで年金の種類と源泉徴収の流れを解説しましたが、所得税がどのように課税されるのかを解説します。公的年金等をベースとして、各種控除を差し引いた金額に税率をかけて計算されます。計算した上で残る金額が所得税の金額となります。

一般的に所得税対象の目安として知られているのが、年金の年間受給額が65歳未満は108万円以上・65歳以上は158万円以上の方に所得税がかかります。特別な控除がある方は申告する事で、税控除額が高くなるので税金対策になります。また、確定申告も所得税と非常に関わりが深いので解説します。

確定申告

公的年金等は所得税がかかっても源泉徴収で天引きされます。そのため確定申告が不要と思われますが、実は源泉徴収にも対象金額が設定されています。また、公的年金等以外の年金(個人・海外)・所得があると雑所得と見做され、場合によっては確定申告を行わなければなりません。

源泉徴収の対象金額は、公的年金等の合計収入が400万円以下となります。このため400万円以上の公的年金等の収入がある場合は、確定申告をする必要があります。また、400万円以下の場合でも年金(個人・海外)・所得などの雑所得が20万以上の場合は確定申告を行う必要があります。

最後に

年金と所得税の関係は複雑であり、しっかりと理解しないままだと何にお金を支払っているのかが分からず不満を抱いてしまいます。年金と所得税の正しい知識を身につける事で、お金の流れが明確になります。流れをしっかり把握する事で生活にゆとりが生まれやすくなります。

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